堂上が基地のそばの指定病院まで転院してきたので郁は堂上に言われたようになるべく早く、と堂上の病室を訪れた。二度目の訪問も一度目と変わらず病室に入るのはやはり緊張した。
堂上と恋人になれたことは本当に嬉しくて。舞い上がりそうになる。二人きりのときの堂上は甘すぎて反応に困る。今まで教官として接せられてきた分、郁にはそれが尚更慣れなかった。
とにかくふとした瞬間に甘くなる。いや、最初から、恋人として自分に接してくる時の堂上は甘いのだが。
ふと視線を感じて顔を上げると堂上が真っ直ぐにこちらを見つめていた。郁は瞬間的に顔が赤くなるのを感じた。
だから、どうしてそういう顔するかなー。
その顔は明らかに恋人仕様で。
そんな優しい顔でこっちを見ないで下さい。郁は恥ずかしさで俯いた。
「郁?」
声をかけられるが顔は上げられない。
「はい」
返事だけ返した。下からの目線で堂上を窺うとやはりこちらをその優しい眼差しのまま見つめていた。
堂上はベット脇の椅子に腰掛ける郁を引き寄せた。郁は一瞬硬くなったがすぐにその強張りを緩めた。
まだ俯いている郁の顔を堂上が両手で包み込むように挟み顔を上げさせた。
ちょっと待って!そんな間近で見られたら顔赤くなってるのバレる!
郁が慌てて堂上から逃れようとするが堂上はその手を離してくれなかった。
「堂上教官。あの、恥ずかしい…です。手、離して下さい」
堂上の蕩けるような眼差しに耐えきれなくなった郁がやっとのことで声を漏らすと
「いやだ」
と即答された。
その声も普段の堂上とは似つかないような優しい響きで郁はもう心臓がはち切れそうだった。その郁の様子を知ってか知らずか堂上がさらに爆弾発言を落とした。
「可愛いからもっとよく見せろ」
うわー。ちょっと待って!この人今ものすごく恥ずかしいことサラッと言ったよ。仮にも戦闘職種・170センチの女に向かって!
堂上のその言葉で郁の顔は真っ赤に染まった。私、顔から火が出るかも、と本気でそんなことを心配する。たぶん今涙目になってるんだろうな〜と思った。
その様子を見た堂上がふっと優しく笑うとまるで宝物にでも触れるように優しいキスを郁に落とした。
寮に戻った郁は、恋人の時と仕事の時と差がありすぎ!と言えもしない抗議を心の中で叫ぶのだった。
fin.
甘いの大好きなくせに慣れるまでは直視できないやつです。
映像とか自分で創作したものに関しては、ですが。(人様の書かれた小説はどんなに甘くてもokw
で、糖分不足しがちなので自分で補おうととにかく甘いの!と心がけて今回は小説書いたのですが。
最初は書きながら妄想しまくって顔にやけまくり;;で、その後は書いたのを読み返してみてあまりにも恥ずかしくなった。。。
で、何度も読み返して修正していくうちに慣れました。(笑)ん〜周りの人から読んだら甘くなっているでしょうか?
甘いの目指して頑張ったつもりではあるのですが;;柴崎が「強いお酒ちょうだーい!」と言うくらいは!
別冊の「二人きりのときはもっと甘い」を妄想してwこんなのまだまだ生温い!って思った方、言って下さい。
そしたらもっと甘いの目指して頑張ります!><w
堂上ver.もあります。両方読んだ方がたぶん分かりやすいです。
片方でも大丈夫なように書いたつもりなのですが、なんか片方だけだと分かりづらいかもです。
いろいろ矛盾しているところとかもあると思いますが;;すみません。
もっと細かいところまで合わせろ!って感じですよね;;あぅー;;
2008.05.17