相談


「小牧、ホワイトデーどうする?」
 いつものように堂上の部屋に酒を飲みにきていた小牧に唐突に話を切り出す。
「ん〜そうだねー。バレンタインに手作りもらっちゃったからね」
 小牧は珍しく照れくさそうに笑った。「堂上はどうするの?」と逆に話を振ってくる。
「正直、女の喜びそうなことはよく分からん」
 堂上は仏頂面で答えるとビールをぐいっと一口飲んだ。
「笠原さんなら何してあげても喜びそうだよね」
 小牧も言いつつビールを飲む。
「だが、何か身につけられるアクセサリーなんかはどうかと思ってる」
「あ〜、堂上まだそういうのあげてなさそうだもんね。いいんじゃない?喜ぶと思うよ」
「そうか」
 ぶっきらぼうに答えると堂上はつまみの乾き物に手を伸ばした。
「…小牧、お前今度の公休あいてるか?」
 どんなものをあげたら喜ぶか正直迷っているのが本音だった。小牧のほうが堂上より女性の扱いに慣れている。きっとそういうのも詳しいだろう。
 堂上は小牧に一緒に同行してもらい選ぼうかと思っていた。
「あ〜、ごめん。次の公休は毬江ちゃんと会う予定があるんだ。ごめん、堂上」
 申し訳なさそうに小牧が謝る。
「気にするな。なら次の公休は?」
 堂上は尋ね直す。
 よほど真剣なんだな。そう思ったらちょっとつついてみたくなった。
「あ〜その日もちょっと…」
 小牧は曖昧に言葉を濁す。
「なら、その次は?」
「ごめん。その日デートだ」

「……」

 三度目の受け答えは堂上に気づかせることも含め演技もやめ即答する。予想通りの友人の反応に小牧の顔がみるみる歪んでいく。もう吹き出す寸前だ。
「…お前、二回目からわざとだろ!」
 堂上がそう言うのと同時に小牧が吹き出した。くっくっと笑いをこらえながら笑っている。機嫌を悪くした堂上がぶすっとそっぽを向いた。
「もう言わん!お前には頼まないっ!」
 堂上はそう怒鳴るとふて腐れたようにビールを煽った。
「悪い悪い…」
 言いつつまだ笑っている。
 こいつは…。人がせっかく真剣に考えてるっていうのに…。こっちは本気なんだぞ!怒鳴りたくなる気持ちを堂上は必死に押さえた。ひとしきり笑った小牧は
「大丈夫だよ。笠原さんなら。堂上が選んだものならきっとなんでも喜ぶよ」
と呟いた。

   それに、堂上、そういうことって俺以外に頼めるような人いないよね?

fin.





            別冊あたりの話で!バレンタインは書かれてましたがホワイトデーはなかったので。頭の中で妄想フル回転!!(ぉぃ;
            いろいろ矛盾してますが;;堂上が小牧に頼むかは別として;;いや、それだけ真剣だったって事にしといてください;;
            視点もいったりきたりですいません;;
            小牧教官以外はいないですよね;;相談相手。だって玄田隊長なんてもってのほかだし、手塚はそういう方面鈍いし(笑
            堂上教官の周りはからかい専門ばっか!(笑

            2008.04.26