む、期間限定ハロウィンデザート?これはいっとくしかないわね。
セットメニューの「お好きなデザートをお選び下さい」という文字の下に書かれた、期間限定デザート含むという但書を確認するとメニューを早々に畳んだ。
「光、はい、あ〜ん」
差し出されたそのスプーンを見て手塚はカチンと固まった。声にならない言葉が空気となって口から押し出される。動揺を煽られるだけ煽られた。
彼女がそんな自分の様子を見て楽しんでいることは明白で。にこにこと微笑む彼女は端から見たら天使のように見えるが手塚には小悪魔というに相応しく見えた。ここで小悪魔と言ってしまうあたりが惚れた弱みなのだろう。
今宵はハロウィンだ。彼女が美しい魔女だと言っても恐らく過言ではない。
ここでいつもならその美しい魔女に従うまでの手塚であったが今日の手塚は一味、いや二味(?)も違った。
手塚は柴崎の差し出した手をとるとそのままぐいっとこちらに引き寄せた。反動で近づいて来た柴崎の顔に手をやるとそのままその頬を包み込む。そしてその艶やかな唇に軽く自分のそれを押しつけた。
掠め取るようなようなキスをして柴崎を解放すると何が起こったのかを理解した柴崎が顔を赤くした。
柴崎はきっと手塚を睨み「いつからこんな卑怯な手を使うようになったのかしら」悔しそうにそう呟いた。
それが柴崎の精一杯の強がりだと気づいたから。
「さぁな。今日はハロウィンだからな。魔女よりもオオカミのほうが強いってもんだろ」
努めて冷静にそう言ってのける。
だが今度は手塚が不意を討たれる番だった。ぐいっと襟首を捕まれてキスされる。
呆気にとられつつ周りを見渡すと
「おい、ここ店だぞ」
手塚は少々慌てて呟いた。
「お返しよ!それに、そっちから先に仕掛けてきたんでしょう?」
柴崎はそう言うと勝ち誇ったように、だが嬉しそうに笑って見せた。
ああ、やっぱりオオカミは魔女には敵わないのかもしれない。
情けないかもしれないがそんなことを思って、別にそれも悪くないよなと手塚は心の中で密かに呟いた。
そして目の前で嬉しそうに笑ってみせる自分の愛しい魔女に手塚は目を細くした。
fin.
HappyHalloween!!
手柴版かぼちゃプリンですw
なんか書いてみたら堂郁よりも甘くなったような気がするのは気のせいだろうか…^^;
堂郁祭で堂郁ばっかり書いたので手柴読みたい方いるかなーと書いてみたw
あ、別になくても良かった…?;;
2008.010.31 2008.11.13再録(加筆訂正有り)